お花の便り No.8 10月編 その1
福岡における、第32回JVR協会総会も無事終了しました。
関係者の皆様、ありがとうございました。
さて、遅くなりましたが、石渡邸から10月のお花の紹介です。
10月は、全国の神様が出雲大社に集まって一年の事を話し合うため、
出雲以外には、神様がいなくなる月と言う意味で、神無月と呼ばれます。
お茶の世界も、景色が変わります。風炉釜に変わって炉の季節になります。
残り僅かとなった葉茶を慈しみ、深まり行く秋を心から味わい、
惜しむのが、名残の茶です。 侘びた風情を演出する秋の草花が現出します。
1.白花萩(しろばなはぎ)
萩は、日本人に古くから親しまれている花で、鹿鳴草、鹿見草、初見草など
多くの別名で呼ばれています。
枝垂れた枝に、紫紅色の胡蝶花をたくさんつけます。
萩の中でも珍しい、白い花を咲かせる白花萩は、山野に自生する宮城の萩の
変種です。清楚な白い花が風に揺れています。仲秋のころ、冴え冴えと注ぐ
月光を浴びながら、寂しく悲しげに吹く秋の悲風にその身をゆだねる姿は、
孤高を超えて、悲壮でもあります。
花言葉は、「思案」「思い」です.。
写真 石渡 登
文責 鵜澤 明